◆切なく、美しい涙こぼれる一冊を読了「この恋は、世界で一番美しい雨」宇山佳祐~感想~◆

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昨日、宇山佳祐さんの「この恋は、世界で一番美しい雨」を読了しました。表紙が印象的で、最近読書で「涙すること」がなかったなーと思い、期待を込めて手に取りました。”ライフシェアリング”という奇跡を、愛し合った2人がどう過ごしていくのか、中盤以降の展開から涙が止まらず、一気に読了してしまいました。








1.「この恋は、世界で一番美しい雨」~あらすじ~


彼女の笑顔を想うと、時々、涙がこぼれそうになる。
この幸せが、この恋が、ずっとずっと続いてほしい。そう思っていたのに――。

駆け出しの建築家・誠と、カフェで働く日菜。雨がきっかけで恋に落ちた二人は、鎌倉の海辺の街で愛にあふれた同棲生活を送っている。家族のいない日菜に「夢の家」を建ててあげたい、そのために建築家として名を上げたいと願う誠だったが、ある雨の日、日菜と一緒にバイク事故で瀕死の重傷を負ってしまう。
目を覚ました彼らの前に、“案内人”と名乗る喪服姿の男女が現れる。
そして誠と日菜は、二人合わせて二十年の余命を授かり、生き返ることに。
しかしそれは、互いの命を奪い合うという、あまりにも苛酷で切ない日々のはじまりだった――。

この恋の結末に、涙せずにはいられない。
『桜のような僕の恋人』の著者が贈る、胸打つ長編小説。

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2.要約すると、こんな感じ(※内容だけ知りたい方へ)







主人公:誠(キョン)、日菜

案内人、建築家、研ちゃん他


不慮の交通事故で死んだカップルが、余命20年を授かり夢を追って生きていく物語です。

ただしこの余命は「2人で20年」という寿命であり、お互いがこの寿命を奪い合うことで生きていく「ライフシェアリング」という制度に乗っ取るものでした。幸せを感じれば+1、不幸を感じれば-1となるため、当初溺愛していたお互いの感情が益々引き裂かれていきます…。

最終、日菜が誠に余命を全て投げ出す”危険行為”をとるのですが、誠はこれを拒否したため、誠が先に命を絶つことにー

残余を日菜は幼馴染と結婚し、過ごすのですが、数年後満期となり死亡。案内人となっていた誠は、日菜の案内人となり、再開を果たすという物語です。



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3.本書のみどころは!?


このお話の中で、最も目が離せなかったのは「幸せのかたち」でした。周りから痛い目で見られていようが全く気にも止めないラブラブカップルが、お互いの命を削っていくという危機に敏感になり、幸せをセーブしていくシーンがあります。-人は、幸せになる権利があるー。愛情の移り変わり、そして誠・日菜を囲む周囲の人間が「幸せのかたち」「自分が強くなること」を伝え、お互いの溝を埋めていくシーンに着目して頂きたいなと思います。




4.~読了後の所感~






本書を読み終えて、3つ感じたことがありました。1つ目は「幸せ」について。幸せを感じる時って、自分はどんな時だろうと自問自答しました。建築家の真壁先生はこう言っていました。「人生ってのは、自分と大切な誰かが幸せになるための旅路みたいなもんなんだ」。人の幸せの一助となること。住む人のこと、目の前の人のこと、自身に置き換えて「幸せ」を見つけていく宿題を得ることができました。2つ目は「好きな人と一緒に生きていく」ことについて。本書序盤では、「ただのラブラブカップルの幸せ物語」だと決め込んでいましたが、そんな2人でも命をかけるとなると亀裂が入り、感情をキープできなくなってしまいます。人生の先輩である磐田さんが言うように「好きな人と一緒に生きてゆくには、たったふたつの言葉しかいらないよ。ーごめんねと、ありがとうだー」。どんなことがあろうとも、この2つの言葉を大切に、そして「ありがとう」をたくさん引き出せるように生きていきたいなと思いました。そして最後に、「記憶」についてです。案内人もライフシェアリングを経験してきたように、人の記憶は”幸せだった時間や受け取った物が忘れられないようにできているんじゃないか”と、そう思うようになりました。指輪を見て、建築された家を通して…。みなさんにも経験があるように、うれしかったことや大切だった時間は中々忘れられないもの。改めて、愛し合うことの難しさ・奥深さを学んだ、素敵な一冊でした。涙、流しました(笑)




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