◆「スロウハイツの神様」:辻村深月/ミステリー小説◆

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本日「スロウハイツの神様」という本を読了しました。上下巻のある、非常にボリュームのある文庫本でしたが、”仕事”、”夢”、”プライド”等、「私たちの生活の中にも潜在する大切なこと」について、アンテナを張るきっかけとなりました。







「スロウハイツの神様」:辻村深月

人気作家チヨダ・コーキが、ファンによる殺人ゲームにより筆を折ってから10年。「コーキの天使ちゃん」によって復活を遂げたチヨダ・コーキは、新人脚本家・赤羽環に誘われ、彼女がオーナーを務める「スロウ・ハイツ」に入居し、クリエーターを志す狩野たちと暮らし始める。加々美莉々亜の存在から変革を始めていたスロウハイツでの生活は、ある日、一通の郵便が環の手に渡ったことで大きく揺れ始める。




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「スロウハイツの神様」登場人物のご紹介

本作での登場人物は、以下の通りです。





赤羽環(あかばね たまき)
人気脚本家にしてスロウハイツの家主。自身スロウハイツの3階に暮らしている。大学生の頃、ある有名脚本家が引退する際に後継者を募集。これに環は応募し、見事その後釜の座を勝ち取った。チヨダ・コーキの大ファンである。負けん気が強く、これでもかというほど反骨精神に富んでいる。きれいな水で作った日本酒が好き。
チヨダ・コーキの作風を真似る作家、「鼓動チカラ」に猛烈に反発する。写真家の芦沢理帆子と知り合いである。妹桃花がいる。

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千代田公輝(ちよだ こうき)
スロウハイツ202号室に住む。中高生に大人気の作家。「チヨダ・コーキ」のペンネームで高校2年生のときに代々社のノベル新人賞を受賞し、以降「チヨダブランド」としてヒット作を量産し続ける。10年前に、熱狂的ファンが彼の作品を模倣した殺人ゲームの事件を起こした影響で、3年間休筆していた。自称「被害妄想」病。家族以外の人間が作った料理が食べられない。高額納税者にも関わらず服装には無頓着で、Tシャツの襟元が茶色に染まるまで同じものを着ていたりする。
猫背で手足が長く、エヴァンゲリオン初号機のような姿勢である。ファンたちからは「コウちゃん」と呼ばれる。




狩野壮太(かのう そうた)
児童漫画家を夢見る青年。誰も苦しまず、悲しまない世界観を描こうとするあまり、出版社への持ち込みもなかなかうまくいかない。スロウハイツ101号室に住む。
狩野が毎回持ち込みをしている漫画雑誌、『ケラケラコミック』のモデルは、小学館の『コロコロコミック』であると推測される。

長野正義(ながの まさよし)
狩野の親友。映画製作会社に勤務し、映画監督を志す。しかし、撮る映画になかなか感情を込められず、評価されない。
スロウハイツ102号室に居住。森永すみれと交際している。
森永すみれ(もりなが すみれ)
スロウハイツ103号室に住む。料理が得意で、スロウハイツ内でお祝いがあるとその腕を振るう。映画館でバイトをしつつ絵を描いている。正義から「スー」と呼ばれ始め、スロウハイツ内ではその呼び名が定着している。彼氏の髪を切ることが好き。




黒木智志(くろき さとし)
代々社の雑誌『週刊少年ブラン』の編集長を務める。203号室に住むが、出版社の近くにある別宅で寝ることも多い。狩野から「ハイパークール」と称され、仕事のためにすべてを捧げるような面も。チヨダ・コーキの売り出しを一手に引き受けている敏腕編集者。独身。

円屋伸一(えんや しんいち)
環の高校からの親友。201号室に住み、密かに漫画家を目指していたが、環をライバル視するあまり、スロウハイツを出て行ってしまった。狩野たちからは「エンヤ」と呼ばれる。
加々美莉々亜(かがみ りりあ)
エンヤが出て行ったあと、201号室に入居した、自称小説家にしてチヨダ・コーキのファン。ロリータの服装に身を固め、公輝の部屋に入り浸る。

その他の人物
赤羽桃花(あかばね ももか)
環の妹。大学生。後にスロウハイツで暮らすようになる。




拝島司(はいじま つかさ)
ゲームセンターで環と知り合い、付き合うようになった、環の新しい彼氏。男の趣味が悪い環にしては今回はいい男だと正義に評された。建築家で、スロウハイツの外観、内装ともに気に入っている様子。

芦沢理帆子(あしざわ りほこ)
写真家。父の名、「芦沢光」で活動している。「凍りのくじら」にも登場。公輝や環と親交がある。






「名言」:摂理とは。功罪の功の価値とは。

【チヨダ・コーキ】
「いいことも悪いことも、ずっとは続かないんです。いつか、終わりがきて、それが来ない場合には、きっと形が変容していく。悪いことがそうな分、その見返りとしていいことの方もそうでなければ摂理に反するし、何より続き続けることは、必ずしもいいことばかりではない。望むと望まざるとにかかわらず、絶対にそうなるんです。」

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【赤羽環】
「派手な事件を起こして、死んでしまわなければ、声を届けてはもらえませんか。生きているだけでは、ニュースになりませんか。何も問題が起こらないこと、今日も学校に行けることが「平和」だったり、「幸福」であるのなら、私は、死んだりせずに問題が起こっていない今の幸せがとてもうれしい。なにか大きな問題が起こったときと比べて、何も問題が起きずに平和でいられること、チヨダブランドがただただ面白いからっていう理由だけで今日も私や、他のファンの人たちが生きていられるという、チヨダ先生の功罪の功の方は、ほとんど表にでることがありません。

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まとめ

私個人としては、この本から得られた「人間の欲」や「嫉妬」に対する考え方等、非常に学びの多い1冊だったなと感じています。各々が目指すステージに向かって、ひたむきに努力を重ねること、責任をもつこと。「自分の仕事に対する向き合い方はどうだろうか」と自問自答しました。ぜひ、ご一読頂きたい一冊です。


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