◆㈱ぐるなびの再起手段!?コロナで苦境に立たされる、老舗大企業の経営戦略◆

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先日、㈱ぐるなび(2440)の通期決算が発表されました。想定通り、修正予測の数値に則るかたちで着地し、年間総売上高は161.8億円。ピーク時と比較しても非常に厳しい経営状況が続いていますね。今回は同社における非常に興味深い取り組みがありましたので、今回の決算状況を交えつつご紹介いたします。





1.㈱ぐるなび:令和2年度決算(通期)

株式会社ぐるなびと聞けば、飲食店検索の際に一度は耳にしたことのある方が多いかもしれません。飲食店の検索サイトとしては老舗の大企業である同社ですが、今回のコロナ関連の影響を受け、苦境に立たされています。

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➢㈱ぐるなび:収益構造より




同社の収益軸は「飲食店からの掲載(加盟)費用」・「飲食店からの”ネット予約1名あたり”の成果報酬手数料」・「その他仲介手数料及び掲載手数料」に分類されます。

もちろん経営主軸は掲載費用となりますので、今回のコロナ関連にみる飲食店の倒産・閉業は掲載サイドにとっても大きな損失です。飲食店側のキャッシュフローをみても、まずは削れる経費等を削減しますので、民間媒体への掲載費用等は真っ先に削られる費用と言えるでしょう。




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➢飲食店の収益構造より

「食文化を守り、育てる」という事業設計のもと、各地域との強固なパイプを築き、そして加盟店(掲載店舗)の拡大に奔走してきた同社ではありますが、ユーザーの検索経路・思考やライフスタイルの変化を背景に、いよいよ減速にシフト。これからの再起の動きに注目が集まっています。




2.想定される令和3年度の動き

最も期待値の高まる施策のひとつに、「Go To事業の復活による流動増加」・「ポイント付与の最大化」が鍵だと言われています。調査機関におけるユーザーのポイント保有・消費志向はますます高まっており、相互連携や大規模付与キャンペーン等を実施することで、ひとつの集客要因を構築する動きも目立つようになりました。

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コロナ収束後は「楽天」との連携によるポイント付与サービス、「飲食+α」の価値付けを行うことで、加盟店への掲載維持並びに新規掲載店の拡充に動きをとることが示唆されています。





一方で同じグルメ媒体でも業績を伸ばしている「ホットペッパー(リクルート社)」・「食べログ(カカクコム)」「Retty」が大きく経営改善を実現しており、スピード感にいよいよ遅れが出ていると見受けられています。

確かにぐるなびの強みは「業歴」・「飲食店との強い絆(インフラ)」・「食材調達からのトータルサポート力」にあると言われていますが、ユーザーメリットの観点では劣勢にあり、早期に誘因を実現するサービスを構築する必要があると言えるでしょう。




3.「ぐるなび経営サポート」の魅力

さて、そんな苦境にたたされている同社ではありますが、先日のリリースで非常に興味深いサービス開発が水面下で動いているとの情報が公開されました。AIを活用した、「飲食店のスタートアップを加速させる」素晴らしいコンテンツになると思います。

「ぐるなび経営サポート」※以下抜粋
この度、データとAIを活用して飲食店の売上・利益・客数の管理や予測、経営の改善点の提案などを行うスマートフォンアプリ「ぐるなび経営サポート」の実証実験を数店舗で始めた。

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コロナ禍で経営の予測を立てづらい状況が続いていることから、同社ではこれまで培ってきた飲食店経営のノウハウやデータをフル活用し、より多くの飲食店の経営をサポートするために同アプリを開発。ぐるなび加盟店以外でも利用できるようにする。




「ぐるなび経営サポート」はiPhone対応で、売上と経費などを入力すると、売上・利益・客数の実績と予測をグラフ化して表示する。さらに、データから分析した経営の改善点などをまとめた「ぐるなびアドバイス」や、周辺飲食店の予約状況などをまとめた「商圏レポート」なども画面上で見られる。

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これらの情報は、仕入れや従業員のシフト調整、メニュー内容や価格の変更、キャンペーン施策の計画などに活用できる。また、POSレジや予約台帳システムなど外部システムとの連携が不要なため、これらの機器を導入していない飲食店でも活用できる点を売りとする。

今回の実証実験を経て、全国の飲食店への展開を検討しており、ぐるなび店舗ページやネット予約管理、POSレジサービス「ぐるなびPOS+」、予約台帳システム「ぐるなび台帳」といったぐるなびが提供する各種サービスや外部のサービスと連携することで、経営に必要な情報を一元管理できるように機能面を強化する予定だ。

4.まとめ

さて、上記のサービスが正式にリリースされれば、飲食店の開業者の増加はもとより、数値に弱い経営者でも損益分岐点売上を把握し、「財務面での健康経営が実現されるのでは?」と期待が寄せられています。

飲食店経営者が苦境に立たされている今、飲食店にもユーザーにもメリットのある価値付けを付加していくことが、今後の生き残りの明暗を分けることになるのではないでしょうか。

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