従来から整備されている「小規模事業者持続化補助金」は、主にホームページ制作、広告、店舗改修、新商品開発など幅広い目的で活用できることで人気の補助金です。この補助金は従業員5人以下等の小規模事業者(小規模事業者か否かは、業種ごとに従業員数で判断します)を支援するもので、公募は通年で行われています。※現在も募集中です。
今回は別枠で募集されている「低感染リスク型ビジネス枠:小規模事業者持続化補助金」について、計画書の作成方法を交えてご紹介いたします。
今回は別枠で募集されている「低感染リスク型ビジネス枠:小規模事業者持続化補助金」について、計画書の作成方法を交えてご紹介いたします。
1.「小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠)とは
この補助金枠は、新型コロナウイルス感染症感染防止と事業継続を両立させるために、対人接触機会の減少に役立つ前向きな投資を行って、ポストコロナを踏まえた新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入に取り組む小規模事業者を支援する制度と明記されています。
公募は通年で行い、補助金上限額が100万円(補助率3/4)となっている点で、令和2年度の「コロナ特別対応型」を想起される方も多いのではないでしょうか。
公募は通年で行い、補助金上限額が100万円(補助率3/4)となっている点で、令和2年度の「コロナ特別対応型」を想起される方も多いのではないでしょうか。
2.一般型(従来の制度)との違いは?
さて、従来から制度化されている「一般型」と、今回制度設計されている「低感染リスク型ビジネス枠」では、補助上限額と補助率が異なることのほかにどのような違いがあるのかをご紹介いたします。
★感染防止対策にかかった経費を、最大25万円まで計上できる!
一般型では感染防止対策費は補助対象外となりますが、低感染リスク型ビジネス枠では補助対象経費の1/4(最大25万円)を上限に感染防止対策費として申請することができます。
※感染防止対策費とは?
業種別ガイドライン等に基づく、以下の感染防止対策にかかる費用のことを指します。汎用性の高い空気清浄機や焼肉業態で見られるロースター等は対象外経費です。ご注意ください。
業種別ガイドライン等に基づく、以下の感染防止対策にかかる費用のことを指します。汎用性の高い空気清浄機や焼肉業態で見られるロースター等は対象外経費です。ご注意ください。
・消毒、マスク、清掃
・換気設備
・飛沫防止対策(アクリル板・透明ビニールシート等)
・その他衛生管理(クリーニング、使い捨てアメニティ用品、体温計・サーモカメラ・キーレスシステム等)
★2021年1月8日以降に発生した経費について遡及が可能!
通常(一般型の場合)、補助金交付決定通知書の受領後でなければ補助事業に着手することができませんが、低感染リスク型ビジネス枠の公募では”特例”として2021年1月8日以降に発生した経費をさかのぼって補助対象経費として申請することができます。つまり「すでに支払ってしまった経費」も、対象となります。
通常(一般型の場合)、補助金交付決定通知書の受領後でなければ補助事業に着手することができませんが、低感染リスク型ビジネス枠の公募では”特例”として2021年1月8日以降に発生した経費をさかのぼって補助対象経費として申請することができます。つまり「すでに支払ってしまった経費」も、対象となります。
なお、必ずエビデンス関係の書類(見積もり・請求・領収書)の保管をしておきましょう。
3.申請に必要となる書類・対象経費
本補助金枠では、小規模事業者等が経営計画を作成して取り組む”ポストコロナを見据えた「感染拡大防止のための対人接触機会の減少」と「事業継続」を両立させる新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等”に対し補助されます。感染リスクの低下に結び付かない取り組みや単なる周知・広報のためのHP作成等は一般型の対象となります。※低感染リスク型ビジネス枠では申請ができません。
なお、以下に該当する事業と判断された場合は不採択又は採択・交付取り消しとなりますので、ご注意ください。
(1) 公募要領に沿わない事業
(2)補助対象経費の中に対人接触機会の減少に該当しない項目を含む事業
(3)新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入がなされない事業
(4)公序良俗に反する事業
(5)公的な資金の使途として社会通念上、不適切であると判断される事業
(6)事業・補助金の重複
※同一法人・事業者が同一の公募回で複数申請を行っている案件。
※国が助成する他の制度と重複する事業。
※他の小規模事業者等から提出された事業と同一若しくは極めて類似した内容の案件。
(2)補助対象経費の中に対人接触機会の減少に該当しない項目を含む事業
(3)新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入がなされない事業
(4)公序良俗に反する事業
(5)公的な資金の使途として社会通念上、不適切であると判断される事業
(6)事業・補助金の重複
※同一法人・事業者が同一の公募回で複数申請を行っている案件。
※国が助成する他の制度と重複する事業。
※他の小規模事業者等から提出された事業と同一若しくは極めて類似した内容の案件。
【対象経費一覧】
経費項目 | 内容 |
機械装置等費 | 対人接触機会を減らすための機械装置の導入費用、移動販売車両の購入費用等の事業の遂行に必要な機械装置等の購入に要する経費を対象とする。 〇単価100万円(税込み)を超える場合は、複数(2社以上)の見積が必要です。 ・実績報告書の提出時に、これら複数の見積書を必ず添付してください。 〇中古品の購入が補助対象経費として認められる条件は、次のとおりです。 ・中古品購入の際には、購入金額に関わらず、価格の妥当性を示すため、複数(2社以上)の中古 品販売事業者(個人からの購入や、オークション(インターネットオークションを含みます)による 購入は不可)から同等品についての複数者から見積(見積書、価格表等)が必要です。 ・購入した中古品の故障や不具合にかかる修理費用は、補助対象経費として認められません。ま た、購入品の故障や不具合等により補助事業計画の取り組みへの使用ができなかった場合に は、補助金の対象にできませんのでご注意ください。 |
広報費 | 補助事業計画に基づく新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等の取り組みを広報するために要する経費を対象とする。 ※1:補助事業と関係のない製品・サービスの広告や会社の広報、営業活動に活用されるだけのも のは、補助対象となりません。 ※2:広報に係る出張旅費や交際費は補助対象となりません。 【対象となる経費例】 ・補助事業計画に基づく新たなビジネスやサービス等の広報のためのチラシ・DMの作成・送付費用など |
展示会等出展費(オンラインによる展示会等に限る) | 新商品等をオンラインの展示会等に出展または商談会に参加するために要する出展料等。 ※1:会場を利用した「対面による展示会等」への出展料や、関連する運搬費(レンタカー代、ガソリン 代、駐車場代等)は、補助対象となりません。 ※2:海外の事業者が主催するオンライン展示会等の出展費用の計上にあたり、外国語で記載の証拠書類等を実績報告時に提出する場合には、全ての内容に関して日本語訳を添付してくださ い。(証拠書類の翻訳料は補助対象となりません。) ※3:申請するオンライン展示会出展のために作成を行うPR動画等については広報費で計上することができます。 |
開発費 | 感染拡大防止と事業継続を両立させるための新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等に関する新商品の試作品や包装パッケージの試作開発に伴う原材料、設計、デザイン、製造、改良、加工するために支払う経費 【対象となる経費例】 ・インターネットによる受注システムの構築、及び補助期間中のランニング費用 ・テイクアウトを実施していない飲食店がテイクアウト専用の弁当を開発するための経費 |
資料購入費 | 補助事業遂行に必要不可欠な図書等を購入するために支払う経費 ※1:取得単価(税込み)が10万円未満のものに限ります。 ※2:購入する部数・冊数は、1部(1冊)までとします。 ※3:中古書籍の購入は、「同等の中古書籍」の2社以上(個人は不可)からの相見積(古書販売業者のネット通販サイトのコピーでも可)を実績報告時に提出できる場合に限り、補助対象となります。 |
その他の経費 | 雑役務費、専門家謝金、借料、設備処分費、委託費、外注費等 |
一般的に申請が過多となる経費は「外注費」・「広報費」ですが、最近では採択率が極めて低くなっており、相応の具体性のある計画書を作成しなければならないと思います。
4.作成必須の計画書のテンプレート
さて、今回は申請に必要となる最も重要な書類「様式1(計画書)」のテンプレートを作成してみました。ぜひご参考にしていただければと存じます。今回の作成テンプレートは「飲食店のゴーストレストランへの展開」です。
※想定する対象経費について(申請額:1,000,000円)
申請経費 | 必要理由 | |
開発費 | デリバリー用メニュー開発(試作)費用一式 | 650,000円 |
広報費 | デリバリーモールへの出展及び上位バナー投資費用 ・モール出展:50,000円×6か月 ・バナー広告費用:25,000円×6か月 | 450,000円 |
感染症対策経費 | ・マスク・アルコール消毒液購入費用:70,000円 ・検温器:180,000円×1台 | 250,000円 |
5.まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠)について、計画書テンプレート等を公開いたしました。あくまで一例として、自社の強み等を客観視し、新しいビジネスへの投資にご活用ください。
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